知財判例メモ

自分用の備忘録として、知財の主要判例や、実務に役立ちそうな裁判例などをまとめていきます。理解しやすさを重視して、自分の理解の範囲内で表現を変更している箇所があります。正確な内容を知りたい方は、判決文をご確認ください。

最判平29.7.10「シートカッター事件」

特許権者が、事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず、その後に訂正審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことは、訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情がない限り、特許権の侵害に係る紛争の解決を不当に遅延させるものとして、特許法104条の3及び104条の4の各規定の趣旨に照らして許されないというべきである。
無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張するために現にこれらの請求をしている必要はないというべきであるから、これをもって、上告人が原審において本件無効の抗弁に対する再抗弁を主張することができず、その他において訂正の再抗弁をしなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情はうかがわれない。

 

 平成28年(受)第632号 特許権侵害差止等請求事件

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/898/086898_hanrei.pdf