知財判例メモ

自分用の備忘録として、知財の主要判例や、実務に役立ちそうな裁判例などをまとめていきます。理解しやすさを重視して、自分の理解の範囲内で表現を変更している箇所があります。正確な内容を知りたい方は、判決文をご確認ください。

最判昭61.10.3「ウォーキングビーム炉事件」

1.事業の準備

79条にいう「事業の準備」とは、特許発明の内容を知らないで同じ内容の発明をした者又はこの者から知得した者が、その発明につき、いまだ事業の実施の段階には至らないものの、即時実施の意図を有しており、かつ、その即時実施の意図が客観的に認識される態様、程度において表明されていることを意味すると解するのが相当である。

 

2.実施形態の変更

79条の「実施又は準備をしている発明の範囲」とは、先使用権者が実施又は準備していた実施形式に限定されるものではなく、その実施形式に具現されている技術的思想すなわち発明と同一性を失われない範囲内において変更した実施形式に及ぶものと解するのが相当である。

 

昭和61年(オ)第454号 先使用権確認等請求本訴、特許権・専用実施権に基づく差止・損害賠償請求反訴

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/727/052727_hanrei.pdf